後期サラマンカ学派の政治理論-カトリック的近代国家論の体系化

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20730101
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 政治学
• 研究機関: 静岡県立大学
• 研究代表者: 松森 奈津子 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (80337873)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 政治思想史 / サラマンカ学派 / スコラ / スペイン / カトリック / ビトリア / スワレス

研究概要

本研究は、16世紀スペインの後期サラマンカ学派(c. 1576-1600,メディナからバニェス)の思想を考察し、初期近代政治思想史におけるその地位と意義を検討するものである。中世スコラ学の刷新を試みた同学派の権力・国家論は、後に主流となる主権論とは別の観点から脱中世型権力理解を提示した点で注目されることを明らかにし、その成果を、著書や口頭報告の他、講義やメディア報道により、多様な読者、聴衆に向けて公にした。

研究成果

• [雑誌論文] 大航海時代と文明化-ビトリアによる『文明』基準の転換を中心に (2009)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 雑誌名: 比較文明 巻: 第25号 ページ: 23-38
  • 査読あり
• [学会発表] 秩序と正義-インディアス問題にみる他者認識の変遷 (2010)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 京都イスパニア学研究会第19回大会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2010-12-05
• [学会発表] 16世紀スペインにおける恩寵と自由意志-前モリナ主義からモリナ主義へ (2010)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 第232回政治思想研究会
  • 発表場所: 早稲田大学
  • 年月日: 2010-11-15
• [学会発表] 16、7世紀スペインにみる恩寵論争-イエズス会とドミニコ会の対立を中心に (2010)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 南山学会2010年度第2回合同研究例会
  • 発表場所: 南山大学
  • 年月日: 2010-11-10
• [学会発表] グローバルな秩序とインディアス問題-サラマンカ学派にみる世界観の転換 (2010)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 第32回スペイン史学会大会
  • 発表場所: 駒澤大学
  • 年月日: 2010-10-17
• [学会発表] 近代スペイン国家形成とマイノリティ-動員と排除の論理 (2009)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 2008USフォーラム
  • 発表場所: 静岡県立大学
  • 年月日: 2009-08-03
• [学会発表] 16世紀スペインの『文明』論-ビトリアによる『文明』基準の転換を中心に (2009)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 2009年度中部政治学会
  • 発表場所: 名古屋大学
  • 年月日: 2009-07-04
• [学会発表] 大航海時代と文明化-インディアス問題にみる文明-野蛮概念の諸相 (2009)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 第30回近代思想研究会
  • 発表場所: 慶應義塾大学
  • 年月日: 2009-06-06
• [学会発表] インディアス問題からマイノリティ問題へ-近代スペイン国家形成とインディオ (2008)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 第2回マイノリティセミナー
  • 発表場所: 関西大学
  • 年月日: 2008-12-20
• [学会発表] 秩序の境界-サラマンカ学派第一世代の万民法論 (2008)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 第221回政治思想研究会<『藤原保信著作集』完結記念研究報告会>
  • 発表場所: 早稲田大学
  • 年月日: 2008-08-30
• [図書] 「16世紀スペインにおける恩寵と自由意志-前モリナ主義からモリナ主義へ」(孝忠延夫ほか編『「マイノリティ」という視角(上)』 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 総ページ数: 233-253
  • 出版者: 関西大学マイノリティ研究センター
• [図書] 「セネカ」、「トレド翻訳学派」、「ラス・カサス」(セルバンテス文化研究センター監修『スペイン文化事典』所収) (2011)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 総ページ数: 538-539
  • 出版者: 丸善
• [図書] 「解説」(山内進『北の十字軍』所収) (2011)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 総ページ数: 376-381
  • 出版者: 講談社
• [図書] 「移動、遭遇、戦争-インディアス問題にみる世界観の転換」(押村高編『超える-境界なき政治の予兆』 (2010)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 総ページ数: 49-75
  • 出版者: 風行社
• [図書] 野蛮から秩序へ-インディアス問題とサラマンカ学派 (2009)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 総ページ数: 402
  • 出版者: 名古屋大学出版会
• [備考] (1)特別講義(1)慶應義塾大学法学部特別招聘講師、「グローバル化の光と影-16世紀スペインのインディアス問題を中心に」、2009年12月17日、於慶應義塾大学。
  • URL: http://www.kansai-u.ac.jp/minority/matsumori.html
• [備考] (2)慶應義塾大学法学部特別招聘講師、「『新世界』征服は是か非か-16世紀スペインにおけるインディアス問題」、2008年11月27日、12月4日、於慶應義塾大学。
• [備考] (2)拙著『野蛮から秩序へ』紹介(1)松森奈津子、「主権国家論のオルタナティヴとしての可能性」、『イスパニア図書』第12号、2009年、96-97頁。
  • URL: http://www.kansai-u.ac.jp/minority/matsumori.html
• [備考] (3)拙著『野蛮から秩序へ』書評(1)『社会思想史研究』第34号、2010年(崎山政毅氏)。
• [備考] (2)『日本の神学』第49号、2010年(ハンス・ユーゲン・マルクス氏)。
• [備考] (3)『政治思想研究』第10号、2010年(川出良枝氏)。
• [備考] (4)『青山学報』第231号、2010年(押村高氏)。
• [備考] (5)『図書新聞』、2009年12月26日付(崎山政毅氏)。
• [備考] (6)『朝日新聞』、2009年7月26日付(苅部直氏)。
• [備考] (7)『出版ニュース』、2009年7月15日(中旬号)。
• [備考] (8)『週刊エコノミスト』、2009年6月23日付(本村凌二氏)。
• [備考] (4)メディア報道(1)スペイン史学会告知記事、『毎日新聞』、2010年10月6日付夕刊。
• [備考] (2)サントリー学芸賞受賞、『静岡新聞』、2009年12月19日付夕刊。
• [備考] (3)サントリー学芸賞決定、『朝日新聞』、『読売新聞』、『毎日新聞』ほか、2009年11月7日付朝刊。