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本研究の目的は、二大政党制下の少数党にとって院外運動がどのような意味を持つのか、1927年から1931年の日本政治を例として、なかでも無産政党を中心に検討することである。
1、無産政党を中心に少数党の院外運動について、関連する文献、史料の収集を行い、考察を進めた。
2、あわせて、少数党の政治活動における院外運動の意味を考察するために、無産政党の理論的指導者でもあった吉野作造など知識人の政治論について調査を進めた。
3、さらに関連して、無産政党と競合関係にあり自由主義政党を目指した明政会について、党指導者の一人鶴見祐輔を中心に考察し、また、無産政党の系譜を引く戦後の社会党人脈についても院外運動の観点から注意を払った。
4、帝国議会が置かれていた東京以外の視点は重要であるので、地方における少数党の活動実態に触れるべく平成20年7月に兵庫県神戸市において調査を行った。
5、本研究の目的から、当該期の政治構造、政治制度、二大政党や元老など他の諸アクターについてもさらなる理解が必要であるため、関連する範囲で史料を集め、考察を進めた。
以上を通じて、少数党の院外運動を分析することが同時代の政治構造全体の理解に重要であることはもとより、戦後の日本政治を考える上でも貴重な手掛かりとなることが分かった。
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