今年度の研究実績としては、昨年実施した横浜市明るい選挙推進協議会推進員・推進委員約5千名を対象とした意識調査の分析を行い、得られた知見について学会等で報告を行うとともに、横浜市とともに報告書を作成したことである。まず得られた知見を大まかにまとめると、投票啓発活動参加の効果に関する分析からは、投票啓発活動を行っている推進員等の方が横浜市有権者一般よりも、年齢、性別、政治関心等をコントロールしてもなお政治意識(政治関心、選挙の重要性等)が高いことが判明した。また、投票啓発活動参加者のみ(推進員等のみ)を対象とする分析からは、活動を通じた主観的効果(投票参加への意欲の向上、市政に対する関心の向上等)は、活動に対する評価や活動組織に対する評価とも関係してくることが判明した。つまり、地域における投票啓発活動への参加が政治意識の向上につながっていること、その効果の程度は活動内容への評価や所属している組織への評価といった要因が関わってくることが判明した。これらの結果について、日本選挙学会にて「参加の効果-横浜市明推協推進員等に対する意識調査結果から」と題して報告するとともに、地域活動に還元するため、横浜市選管、横浜市明るい選挙推進協議会とともに報告書(『社会参加に関する共同調査結果報告書-横浜市明推協推進員等に対する意識調査-』)を作成し全18区の選管に配布した。また上記の知見について各区の推進員ならびに区民に還元するべく、横浜市明るい選挙推進リーダー研修会、戸塚区選挙啓発講演会、瀬谷区選挙啓発講演会にて発表した。報告内容は近々論文にて公表予定である。
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