• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

近現代フランスにおけるレイシズムの思想史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20730108
研究機関同志社大学

研究代表者

長谷川 一年  島根大学, 法文学部, 准教授 (00399049)

キーワードレイシズム / フランス / 政治思想
研究概要

平成21年度は、19世紀フランスにおけるレイシズムについて思想史的研究を継続しつつ、現代における「人種差別」の発現形態に注目しながら研究を進めた。
その成果のひとつとして、日本国際文化学会(2009年7月5日・佐賀大学)において「新自由主義時代における国家/権力の変容」と題した口頭発表を行った。1980年代以降の福祉国家の行き詰まりを受けて、いわゆる「新自由主義」の発想・政策が世界を席巻した。それとともに権力のモードは、ミシェル・フーコーの定式化した「規律=訓練(ディシプリン)」から、ジル・ドゥルーズの示唆した「管理(コントロール)」へと移行したと言われる。その過程において、人口の流動性あるいは生そのものの流動性を前提としたうえで、かつての生物学的なレイシズムに代わる新しいレイシズムが台頭している。もはや権力は、人々に規範の内面化を強制するのではなく、その行動の外面的形式にのみ関心を集中させ、「リスク」の類型化を図る。その結果、たとえば「20歳代、男性、無職」は要注意人物としてプロファイルされるというわけである。こうした新たな境界線は、狭義の人種のみならず宗教・文化・出身地による差異化をとおして、特定の人々を内側に囲い込み、あるいは外側に排除することになるだろう。そのような発想のある種の原型として、19世紀フランスのレイシズムは捉えることができるし、また批判されなければならない。
以上のように平成21年度の研究を通して、レイシズムの持続・変容について理解を深めることができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新自由主義時代における国家/権力の変容2009

    • 著者名/発表者名
      長谷川一年
    • 学会等名
      日本国際文化学会
    • 発表場所
      佐賀大学
    • 年月日
      2009-07-05

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi