研究課題
若手研究(B)
二年間の「近現代フランスにおけるレイシズムの思想史的研究」を通じて、以下のことが明らかになった。旧来型の「同化志向」のレイシズム(植民地主義を帰結する)に代わって、今日の新しいレイシズムは「差異志向」であり、「差異への配慮」を偽装しつつ、実際には排外主義(具体的には移民排斥)を帰結している。その思考様式の原型はすでに19世紀フランスのレイシズムに見られ、ある意味で20世紀フランスはそのロジックを再現していると言うことができる。
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思想 1016号
ページ: 209-228