本年度においては、研究の中間的なまとめを行いながら、政権交代に伴うわが国の宇宙政策の変更の動向をフォローしつつ、国際協力の理論的な研究をまとめた。その成果と.して、比較政治学叢書として出版された小野耕二編『構成主義的政治理論と比較政治』の中に所収された「構成主義的政策決定過程分析としての「政策論理」」という論文の形で出されている。また、英語での研究発表も積極的に行い、世界政治学会(IPSA)での報告を行っただけでなく、そこでの報告を北海道大学内の紀要である『新世代法政策学研究』に掲載した。また前年度に成立した宇宙基本法の具体的な政策的展開として「宇宙基本計画」が策定されたが、宇宙開発本部事務局とともにこの策定に関与し、わが国の宇宙政策に対する貢献も継続した。しかし、政権交代の結果、これまでの宇宙政策が一時中断され、新たな有識者懇談会が設置されたことを踏まえ、その状況の変化に関する情報収集のため、政府、産業界、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などに聞き取りを行い、事態の把握に努めた。また、英文ではSpace Policyという国際的に評価の高い宇宙政策雑誌に投稿し、それが掲載された。また、国際宇宙会議(IAC)では二つのペーパーを報告した。
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