本年度で研究実績の中心となったのは、昨年度とは打ってかわり、研究報告の実施と執筆活動の開始である。この度の研究実績には反映されてないが、次年度も学会にて報告を行うことがすでに決定している。昨年度までに収集した資料は膨大な分量となったため、読み込みの方も開始し、現在のところそれは順調に進んでいる。これにより、執筆の焦点がより鮮明となり、研究の全体的な方向性も確実に掴むことが可能となった。なお、本年度は海外において研究内容を発信する機会を得、台湾、韓国・そしてポルトガルでの学術報告を通して貴重なコメント及び知見を得ることができた。また、非公開の日本のインテリジェンス研究会への参加を許可され、インテリジェンスに携わっている実務者の方々の前で報告できたのは研究上大変有益であった。その他の実績としては、昨年度出版予定であった英書が査読(二名)及び最終編集会議を通り、今年の秋に出版されることが決定されたことである。これにより、日本語を読まない海外の研究者にも本研究の成果を周知してもらうことができる。このように、本年度の目標は概ね達成することができた。最後に、次年度の目標としてまず挙げられるのは、念願である単著の原稿の完成である。すでに執筆に取りかかっているので、後は集中できる時間をより多く確保し、遅くても2012年度中に刊行ができるように鋭意研究活動に励んでいる。なお、可能であれば英字での出版も考えている。
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