研究概要 |
本研究の目的である英欧関係再検討のうち、平成21年度は、1950年代前半におけるイギリス大蔵省海外金融部門およびイングランド銀行の共同計画として出された、二つのポンド交換性回復計画の立案過程、およびそれらの計画がフランスにおける交換性の動き、および欧州決済同盟にとってはいかなる意味をもつものであったのかを分析することを課題とした。 平成21年度の前半は、文献・資料(史料・統計など)の収集を行い、また二次文献の分析、統計作成、同時代の雑誌・新聞などを閲覧した。平成21年度後半は、年度前半の準備を踏まえて、英語・日本語での論文準備・成果発表に取り掛かった。欧州統合およびイギリス通貨政策研究の最近の研究を踏まえたものとして、『アジア・アフリカ研究』において木畑洋一氏の最近の著書の書評を行った。また、2月上旬には、European Union Studies Institute,Tokyo主催による、日韓院生・ポスドクが参加するワークショップにおける成果報告の機会を頂き、日本・韓国双方の研究者から御批判頂いた。また、このワークショップのために作成した英文ペーパーを土台に、英語・日本語で学会誌への投稿準備中である。その他、本研究遂行に当たり、フランスから来日中の若手研究者Olivier Accominotti氏からは、フランスの政策や統計に関する一次史料、二次文献などについて助言を頂いた。
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