本研究の主要な成果は、少数派イスラーム教徒の知識人が欧米社会において言論活動を行う雑誌・新聞・単行書といった書籍資料、電子媒体による映像資料を包括的に収集したことである。また、在米ムスリム団体とそれに関与する主要ムスリム知識人とのネットワーキングを進めたことが、口頭・非公式の資料収集のための重要な成果であった。それらの収集資料上に現れたイスラーム政治思想、特に自由主義を原則とする西欧諸社会に対する思想的な挑戦をめぐっては、分析の成果を『イスラーム世界の論じ方』(平成20年11月)、『中東危機の震源を読む』(平成21年9月)として刊行している。
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