研究第二年度にあたる平成21年度は、前年度に引き続き日本のOECD加盟にかかわる国内外の資料収集、特に英国の公文書館でのそれに重点を置き、調査・研究を行った。 まず、国内では、日本のOECD加盟に携わった当時の外交官、通産官僚、大蔵官僚ら、並びに当時の政治家らの回想や雑誌等に寄稿した文章を収集した。 加えて、日本外交やアメリカ外交、イギリス外交、ヨーロッパの国際関係、国際経済史等に関する二次文献を収集した。 海外資料調査としては、イギリスにおいて公文書等の収集を行った。英国の国立公文書館(ロンドン)では、日本のOECD加盟についての英国政府の見解、英国と米国、フランス、西ドイツ等の首脳会談において日本はどのように議論されていたのかを中心に調査を行った。その結果、日本のOECD加盟は、欧州首脳間の会談ではほとんど話題になっていなかったことがわかった。加えて、OECDの開発援助委員会(DAC)における日本の行動、日本のOECD加盟希望に対する加盟各国の反応などが読み取れる英国の外交文書も収集することができた。 また、研究の成果の一部として日本国際政治学会において「パックス・アメリカーナと池田政権期の日本外交-日米欧経済関係の文脈」と題する報告を行った。
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