研究概要 |
レジーム転換と複数均衡に関する資本蓄積の果たす役割の研究に関しては, 完成させて海外ジャーナルに投稿するも受理には至らず, 先行研究との言及を見直しながら投稿準備中である。本研究では研究開発のメカニズムが成長のエンジンが資本蓄積単独であるか研究開発も含んだ持続的成長が可能なものかを決定する重要な役割を果たす事を示し, 更に独占価格付けの部分に関して政策的な介入の有効性を示すとともに長期の持続的成長の為に有効なODA政策の枠組みに関しても論じる事が出来た論文である。 人的資本蓄積の成長パターンに与える影響に関しては, 共同研究として人的資本蓄積の外部性の存在が非決定性発生の可能性を, 従って人的資本蓄積に於ける家庭教育の外部性がマクロ経済に与える重要性を示唆する論文を完させてディスカッション・ペーパーとして公開, 海外ジャーナルへ投稿した。 計画していた貨幣的内生的技術進歩モデルに関しては離散モデルでは解析的な分析が困難であることが判明したため, 連続型に設定し直す事でより分析が容易になりそうであるという展望を得た所である。 その他, 全体計画の前倒しをして, 企業のライフサイクルを入れて失業や倒産と長期の成長に関する分析や世代重複モデルに高齢期の労働供給を導入して高齢化社会の家計行動と長期的な成長を巡る分析等を共同研究として積極に着手した。前者はこれ迄十分に取り入れてこなかった企業の退出独自の性質を入れて論じた部分に意義があり, ディスカッション・ペーパーとして公開した。
|