研究概要 |
今年度は今後の研究の下準備として, 将来のための下地としての基礎モデルの研究を行った. 私が構築した経済モデルは, 単純な世代重複モデルを基礎にして, 通常と異なり複数の生産技術(あるいは産業)の選択肢を考慮することで, 投資家が収益率に応じて生産技術(あるいは投資先の産業)を内生的に決定することに特徴がある. その結果, 通常の想定では起こりえない, 内生的な成長循環が可能となる. これに, Ishdia and Yokoo(2008, Journal of Economic Dynamics and Control)の認識誤差の仮定を加味することで, カオス的な成長変動を再現した. この結果は, 2009年1月に岡山大学で開催された「東アジア, ヨーロッパにおける新興国経済発展と地域協力」と題する国際学術集会で発表した. 題名は"Chaotic growth in an overlapping generations model with endogenous structural change"である.
|