研究概要 |
本研究の目的は,力学系理論と呼ばれる数理科学の一分野の成果を経済学へ応用することで,複雑にみえる経済変動のメカニズムの解明をすることにある.より具体的には,例えば,景気循環のような不規則と思われるマクロ経済の変動現象を,経済に内在する非線形性により生み出される複雑性として再現する数理モデルを微分方程式や差分方程式の形で構築し,そのダイナミクスを解析するといったことを行う.非線形性に着目するのは,線形モデルでは再現できないような豊かなダイナミクスを決定論的な枠組みでも再現することができるためである.経済学における高次元モデルにおける非線形動学の研究分野はあまり開拓されておらず,今後の深化が期待される.本年度は,上記の基礎研究を行っていたが,教育活動や社会貢献活動に膨大な時間が取られて,残念ながら当該研究の成果を発表するに至らなかった.
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