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2010 年度 実績報告書

組織設計問題における情報収集・伝達のインセンティブに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20730134
研究機関香川大学

研究代表者

天谷 研一  香川大学, 経済学部, 准教授 (80379461)

キーワード組織設計 / シグナリング / 均衡選択
研究概要

組織設計問題における情報収集と情報伝達に関わるインセンティブの問題について、理論的研究を行った。
前年度に引き続き、組織ヒエラルキー理論のモデルに、CrawfordとSobelの考え方を基礎としたチープトークゲームの分析手法を導入して理論分析を行い、組織形態とゲームの均衡において伝達される情報の関係について考察した。組織形態の違いによって均衡で伝達される情報がどのように異なるかを分析するための基礎付けとして、Spenceのシグナリングモデルでの均衡選択の問題について研究した。
当該研究では、生産性の高いタイプと低いタイプの2つのタイプの労働者からなるシグナリングモデルに確率進化論の動学を導入し、以下のことが明らかとなった。第一に、生産性の高いタイプにとって分離均衡が一括均衡よりも望ましい場合には、分離均衡が長期安定的となる。第二に、選好が逆転し、一括均衡がある種のリスク支配条件を満たすときは、一括均衡が長期安定的となる。最後に、非効率的な一括均衡は長期安定的にはならない。さらに、シグナリングに加えてチープトークを含むモデルを考察し、短期安定性の観点から分析した。この場合では、生産性の高いタイプにとって一括均衡が分離均衡より望ましい場合には、リスク支配条件にかかわらず一括均衡が安定的になることが明らかになった。
前年度までの研究では、完全予見動学の理論により、均衡経路外となる情報集合がないため従来の考え方があてはまらないケースについても、リスク支配という観点から均衡選択の議論が可能になることを明らかにしたが、これが確率進化動学においても成立することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Perfect Foresight Equilibrium Selection in Signaling Games2010

    • 著者名/発表者名
      天谷研一
    • 学会等名
      Annual Conference of the Association for Public Economic Theory
    • 発表場所
      Bogazici大学(トルコ)
    • 年月日
      2010-06-27
  • [学会発表] Perfect Foresight Equilibrium Selection in Signaling Games2010

    • 著者名/発表者名
      天谷研一
    • 学会等名
      日本経済学会2010年度春季大会
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2010-06-06

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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