研究概要 |
トマス・ヘップバーンの著書『オークニー諸島の貧困』についての研究論文`Working the Peripheral into the Picture : The Case of Thomas Hepburnin Eighteenth-Century Orkney'を完成させ、European Journal of the History of Economic Thoughtへ出版した。ヘップバーンの著書を、「改良」をめぐる当時の議論の文脈に位置づけ、本研究の課題であるスコットランド啓蒙の経済思想の歴史的背景と特質を明らかにする起点とすることができた。 並行して、平成23年5月のConference of the European Society for the History of Economic Thought(欧州経済思想史学会第15回年次大会)(Bogazici University,イスタンブール)において、'From Stoic Philosophy to a Language of Political Economy in Adam Smith'(「ストア哲学からアダム・スミスにおけるポリティカル・エコノミーの言語へ」)との題目で個別研究報告を行った。また6月のConference of the History of Economics Society(北米経済学史学会)(Notre Dame University,米国インディアナ州)において、'Adam Smith and Stoic Philosophy:From Cicero's Cato to an Image of the Merchant-Landowner'(「アダム・スミスとストア哲学-キケロ『カトー』から商人地主像へ」)との題目で個別研究報告を行った。これらの報告をふまえ、アダム・スミスの『道徳感情論』と『国富論』に共通する美についてのストア哲学的概念の生成について、英語論文を執筆し、The Kyoto Economic Reviewに投稿した。すでに査読を経て修正が完了している。
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