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2008 年度 実績報告書

保険市場において情報の非対称性が生み出す非効率性に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 20730151
研究機関帝塚山大学

研究代表者

斉藤 都美  帝塚山大学, 経済学部, 准教授 (00376964)

キーワード経済政策 / 保険
研究概要

データの整理, モデルの構築, プログラムの作成を行った.
データは任意自動車保険の個票データである. このデータは, 岩手, 神奈川, 大阪, 鹿児島の4府県の代理店を対象に, 層化抽出法によりサンプリングされたデータであり, 本研究を含めた情報の非対称性に関する一連の研究を遂行することを目的として入手したものである. しかしこのデータは, 契約情報と事故情報が別になっているなど, ただちに統計ソフトが読み込める形にはなっていないため, データの加工・整理を初年度に行なう必要があった.
次に, モデルの構築とプログラミングを行なった. Cohen and Einav(2007)をベースモデルとして, リスクとリスク回避度を従属変数とし, 契約者の属性を説明変数とするような2本のモデルを同時に推定することを目指した. リスクもリスク回避度も観察できないが, それらと関係のある保険金請求の有無, 保険契約の選択行動は観察可能である. 従ってこれらを関連付ける関数形を特定化することで, 推定を可能にする手法を採用した.
モデルの推定は, リスクとリスク回避度の2次元の領域に関して積分を行うことで尤度関数を作り, それを最大化することが自然な方向性である. しかし尤度関数に含まれる積分は複雑なため, 最尤法は計算量が膨大になる. Cohen and Einav(2007)はこの問題を解決するため, Markov Chain Monte Carlo Gibbs samplingの手法を採用することを提唱しており, 本研究でもそれを採用することにした. 現時点では推定プログラムを何度か試行的に動かした段階にある.
以上の研究の意義は, 実際のデータを用いて「情報」が保険市場にどの程度の非効率性をもたらすかを明らかにする点にある. 学術的にも, 理論的な分析が中心だった非対称情報の経済学に, 実証的な根拠あるいは反証を与えるという意味で重要である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluating Automobile Safety Inspection Policy Using Auto Insurance Data2009

    • 著者名/発表者名
      Kuniyoshi Saito
    • 雑誌名

      Contemporary Economic Policy VoluIne 27, Issue 2

      ページ: 200-215

    • 査読あり
  • [学会発表] Traffic Congestion and Accident Externality : Japan-U. S. Comparison2009

    • 著者名/発表者名
      斉藤都美
    • 学会等名
      Western Economic Association International Pacific Rim Conference
    • 発表場所
      龍谷大学
    • 年月日
      2009-03-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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