研究課題
今年度はまず、従業員向けに企業内人事制度や労働インセンティブについての質問を含んだ日本型雇用に関するアンケート調査を実施し、それをもとに長期雇用制度に関する従業員の意見に関する論文"What is the Lifetime of the "Life time Employment'?Empirical Research from Japan"を執筆した(B.Vaszkun氏(コルビヌス大学)と共著)。これを早稲田大学における国際コンファレンスで報告し、ジャーナルに掲載された。本アンケートから得られたデータを用いて、さらに広く企業内人事制度と労働インセンティブの関連について論文を執筆中である。次に、他のデータで健康保険制度の選好に関する実証分析を行い、"The choice modeling approach to the evaluation of public health insurance system in Japan(浦川氏(九大)と共著)を執筆し、オーストラリアの国際学会等で共同報告した。なお組合健保は企業内人事制度の一部であり、福利厚生の重要な位置を占めるものである。最後に、企業内人事制度や従業員インセンティブに大きな影響を与える事業再構築の研究については、最終段階を迎えている。事業再構築の一手段としてMBO(マネジメントバイアウト:経営者による企業または事業の買収)を引き続き重視して研究を進めた。その成果として、「企業リストラクチャリングのツールとしてのMBO-事業譲渡案件との比較分析-」(川本氏と共著)が応用経済研究に掲載された。また、「MBOによる事業売却と株式市場の評価」(川本氏と共著)「買収プレミアムの源泉は何か?-MBOとステークホルダーからの富の移転に関する実証分析-」(河西氏、川本氏と共著)をそれぞれ国内の学会で共同報告した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
Journal of Asia Pacific Studies
巻: Vol.1, No.3 ページ: 591-614
応用経済学研究
巻: 第4巻 ページ: 72-93