研究概要 |
平成20年度は, 設定研究課題について, 基本データセットの作成とそのベンチマーク推定作業を予定していた. 後述するように, 本年度はすでに行っていた緊急性の高い研究テーマについて一定の成果が得られたため, そちらの論文化を急いだ. そのため, Red Herring仮説の検証については, 平成19年度に基本データセットがほぼ完成していることもあり, 事前の作業となるいわゆるweak imstrumemsの問題に焦点を絞って研究を行い一定の成果を得た. またこの研究を通じて,従来から行っているHealth-Human Capitalと経済成長の実証研究に対しても貴重な知見が得られた. しかしながら, 本年度の研究は, あくまで経済成長の枠組みでのものに止まったため, 来年度は, 本年度の成果を基礎として, 医療支出(高齢者医療・介護支出)と高齢化の関係の直接的検証作業に重点的に取り組んでいく. 本年度は, 研究のためのデータの整備および説明変数の注意深い選択作業という, 実証研究を基礎づける作業を行ったが, 来年度の主題は具体的な推定作業である. 可能ならば, 実証結果をある程度の政策的インプリケーションにまで結実させ, 最終年度を迎えたい. なお, 先述したように, 本年度優先的に取り組んだのは, 本研究課題とも密接に関連する「治療技術環境の進歩と進行非小細胞肺癌患者の予後についての実証研究」である. これは"Duration analysis of advamced non-small cell lung cancer with an endogemous drug treatmemt problem" としてまとめられ, 現在, 国際学術雑誌に投稿中である.
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