研究概要 |
近年、日本やEUなどの先進諸国において使用済みとなった製品の処分をめぐる議論が様々な物議を引き起こしている。天然資源の利用、環境汚染、そして、経済性を総合的に配慮した際に、現在の制度は十分だといえるのであろうか。天然資源の持続可能な利用、自然環境の保全、そして、より豊かな人間の経済生活、これらの総合的なバランスがとれた社会の実現を目指す上で、もし何らかの弊害があるとすれば、解決のためにはどのような政策が考えられるのであろうか。本研究の目的は、経済学的分析を通じて、このような課題に対する政策的インプリケーションを導くことである。 平成21年度においても、学内・学外の研究者との共同研究に精力的に取り組んだ。中でも、昨年度より継続的に研究を行っているオックスフォード・ブルックス大学の長瀬洋子氏と、イギリスで実施されている「容器包装廃棄物回収証」の経済分析を開始した。その他の研究者ともいくつかの共同論文を執筆中であり、その成果は徐々に公刊されつつある。また、2009年5月には香港において開かれた「2009 APJAE Symposium on Trade, Environment and Resources」に、2009年10月にはカナダ・エドモントンにおいて行われた「Canadian Resource and EnVironmental Economics Study Group」の第19回年次大会にて、それぞれ論文を報告するとともに、討論者としてもリサイクル問題などを中心とした環境経済学の諸テーマに関して発言する機会を得た。今後も積極的に国内外の学会・研究セミナーで報告することを通じて、自らの研究内容をさらに深いものとしていきたい。
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