研究課題
日本は、急速に進行する高齢化を伴う人口減少社会にほぼ突入し、近時の金融危機を発端とする経済・金融の落ち込みは当初の楽観的な予想を大きく上回る規模で進行している。このような社会経済環境のなかで、本研究では、中小企業と企業家活動の現状および行方について幅広く検討を進めた。具体的には、人口、経済規模・構造、景況、雇用、開廃業、倒産などの動向および相互の連関について定量的に研究を行うため、今年度は、まず官庁、関係各機関等から基礎的なデータ群、および日本経済、中小企業・企業家活動関連政策等についての基礎資料を広範に収集し整理を進めた。関連する先行研究・文献についても、学術論文、書籍、公表資料等を幅広く調査し収集を進めた。そのうえで、とくに、今年度は経済活動および景況と中小企業、企業家活動および倒産の関係について分析を進めた。企業倒産に関しては、金融政策およびマクロ経済等のショックが経済に与える影響の方向性およびその程度について計測する研究を進めた。その結果を日本経済学会および複数のコンファランス等で報告し、また専門学術論文として公表した。景況については、主要な景況感調査の調査結果をもとに、企業規模別の景況および現下の景況の落ち込みについて検討を行い、その1次的な結果を金融経済誌にて報告した。いずれの分析についても、引き続き、国際的な学術分野への直接の貢献も意識しつつさらに検討を進める予定である。
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商工金融 59(1)
ページ: 99-100
Department of Social Systems and Management Discussion Paper, University of Tsukuba 1212
ページ: 27