まず、27の先進国と23の新興国をサンプルとして、必要なデータを収集した。株式に関するデータは、MSCIインデックスより入手可能である。収集したデータは、各国の国内株式、中長期国債、短期国債、国内の不動産、ならびに外国の株式と債券のリターン(現地通貨建て)、為替レート、インフレ率などに関する過去のデータである。 次に、今後も過去のパターンが続くと想定して、現代ポートフォリオ理論に基づきこのデータを使って各国の年金基金にとって最適な資産配分(海外資産を含む)を導き出した。 分析結果に基づく論文(「新興国の年金基金と国際分散投資」)は、数々のコンファレンスやセミナーで発表され、現在は『Journal of Developing Areas』誌が検討中である。来年は先進国に関する論文を執筆するとともに、研究で明らかになった点の分析を続け、年金基金の資産配分の実情と比較する予定である。
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