研究課題
本研究の目的は、日本における情報セキュリティに対する脅威の経済・経営に与えるインパクトを定性的のみならず定量的に分析し、経済活動を安心して行うことができるために必要とされる情報セキュリティ対策、また政府として取るべき政策は何であるかを具体的に提示することにある。本研究では、この目的を達成するために、まず、Webアンケート調査(インターネット調査)を実施し、労働者を対象にして、組織と個人の間にある情報セキュリティ対策に対する意識等を把握するための個票データの収集・蓄積を行った。なお、これらの個票データは、個人や組織を特定化できる情報を除き、学術目的の利用に限って公開し、この分野の学術発展のために寄与する活動を行った。次に、これらの個票データを用いて、情報セキュリティ対策の有効性・妥当性に関するいくつかの仮説を立て、その検証を行った。その結果、いくつかの組織属性(企業規模やインセンティブシステム導入の有無等)や個人属性(年齢や居住地域等)によって情報セキュリティに対する意識の違いがあることを確認している。一方で、雇用形態によって意識の違いは確認されなかった。また、これに加えて、組織と個人の間の情報セキュリティに対する意識の違い(ギャップ)についても確認している。そして、これらの分析結果を通じて、企業等の組織で実施されている情報セキュリティ対策の有効性について議論している。特に、様々な情報セキュリティ対策の中でも、情報セキュリティ教育を行うことが、情報セキュリティに対する意識を高めることにもつながり、有効であることがわかっている。また、政府としては情報セキュリティ教育をサポートするようなセミナーの開催等の実施が社会全体としてのセキュリティ水準を高めることにつながると言える。本研究で収集・蓄積された個票データおよび定量的分析結果は、学術的意義とともに実務的意義をもっている。
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