研究概要 |
本研究の目的は、公的資本の維持更新に関する動学分析を行い、政策的示唆を導出することである。そこで、報告者は現実の制度を子細に検討するとともに、それらの分析を反映させた公的資本の耐久性を内生化した成長モデルを用いて、理論的な解析を行った。先行研究とは異なり、減耗率に直接影響を及ぼす更新投資を考えず、耐久性のコントロールという視点から、公的資本の維持更新問題を捉え、公共投資政策を考察することに成功した。これにより、公共投資の種類別でのトレードオフ関係が成立しない(これらはあくまで財政上の資源配分の問題)ことを示した。同モデルによる研究成果及び関連する研究成果を「Dynamic analysis on public investment policies in an endogenous growth model」(応用経済学研究、第3巻、pp.157-165, 2009)などの学術論文にまとめ公刊した。
|