研究課題
平成22年9月15日に6年半ぶりの外国為替市場介入が実施された。円相場が15年ぶりに1ドル=82円台まで円高が進行した状況で介入に踏み切り、米ドル買い円売り介入の実施によって為替相場は1ドル=85円台後半まで押し戻された。その介入の規模は2兆1249億円の米ドル買い円売りであり、1日の円売り介入額としては過去最高を記録した。また、介入に伴い平成22年9月末の我が国の外貨準備高は、前月比約+400億ドル(約3兆3千億円)と大きく増加した。新聞紙上でも外国為替市場介入の話題で持ちきりとなった。日本経済新聞(2010年12月6日朝刊、19面)「経済教室」の中で、介入の為替相場への影響に関する研究について紹介され、研究代表者の介入に関する研究結果も紹介された。そのような状況のなか、平成22年度は「外貨準備の累積が日本経済に与える影響」を分析し、論文を執筆する予定であった。従来の外国為替市場介入の効果の研究では、為替相場に対する影響に焦点を当ててきた一方、株式市場への影響を分析したものはほとんどみられない。今回の介入の実施にともない、為替相場のみならず株価に対する影響も大きいことを受けて、本年度は「外国為替市場介入の株価に対する影響」と題する論文を執筆した。1990年から2011年までの介入および日経平均等のデータを用いて分析を行った。得られた結果として、円売りドル買い介入は日経平均株価に対しても有意にプラスの影響を与えていたことが分かった。
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Working Paper Series, Faculty of Economics, Kinki University
巻: E-16(未定)
http://www.eco.kindai.ac.jp/hoshikawa/others/data.html