事業への国を越えた外部ファイナンスは、資金に乏しい途上国・新興国だけではなく多くの国々にとって利益をもたらす。このようなファイナンス契約の履行を保障するためには、国家・裁判所による保護(当事者の契約の遵守)が求められる。 投資が行われる「事前」の段階では、事業家への十分な投資を確保するために、国家は関係する法の整備等によって十分に大きな投資家保護をアナウンスする。-方、投資が行われた「事後」の段階では、裁判所が自国当事者(事業家・国内投資家)の利益のみを考慮する場合、海外投資家の利益を考慮しないため、投資家保護の程度は非常に小さいものとなってします。すなわち、事前の決定では投資家保護の程度は大きく、事後の決定では小さい(時間非整合性の問題の存在)。 2008年度の研究では、このような時間非整合性の問題が存在する場合にケープタウン条約がどのような工夫を行ったのかについて、経済学的に、そして法学的に分析を行った。 経済学的分析に重きを置いた論文を、"Providing CredibiIity : Explaining Effective Devices of the Cape Town Convention"としてまとめ、現在、海外レフェリー誌に投稿中である! より法学的論文として、"Draft the Convention as Rules"(仮題)として現在まとめおり、この論文は2009年度の学会報告を得て、投稿予定である。
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