日本のエネルギー革命はその急速性・徹底性という点で西洋諸国とは趣を異にするものであった。本研究は、こうした急速・徹底的なエネルギー革命をもたらした要因として以下の2つを明らかにした。第1に、戦間期以来発展をとげてきたエネルギー節約技術(熱管理)が1950年代に活発に展開されることで、石炭から重油への転換が促進された。重油が石炭よりも熱管理上有利なためである。第2に、1950年代後半にエネルギー需要の急増が予測されたことを受けて原油輸入港湾の整備が進展した。この結果、タンカーの大型化は他国よりも群を抜いて進展し、日本の原油輸入価格は世界最低水準へと低下した。
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