研究期間(三年間)の中間年度である本年の実施計画に従い、(1)地域企業への聞き取り調査・フィールド調査、(2)量的データ収集とそのネットワーク分析、(3)概念モデル化、といった三つの研究調査活動を実施した。 本研究の目的は、「地域ブランド」を活用している企業のビジネスモデルについて、内部要因と外部要因の双方に着目しながら、特に資源ベース戦略論の理論的発展に貢献することであった。初年度に内部要因に着目した研究を進展させることができたので、本年度は外部要因に関する研究を進化させた。双方に一定の研究成果をあげ、一般書籍にもまとめることが出来たので、以下に列記しておく。 まず、(1)については、2009年に公刊した二冊の書籍にフィールド調査の成果が盛り込まれている。地域ブランドに関連性の高い企業だけでなく、市民や行政の動きにも着目したのが大きな特色である。 次に、(2)については、アクターネットワーク理論を使ったネットワーク分析の試みを上記の一般書関のなかで展開した。 最後に、(3)については、モデル構築に必要な海外文献を翻訳するとともに、上記の一般書籍のなかに一部の成果を盛り込んだ。 以上のように、本年は中間報告として複数の書籍刊行に結びつけたが、次年度以降は最終的なまとめとして研究全体を網羅するような専門書レベルの成果を残せるよう、引き続き努力していくつもりである。
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