これまで医療連携に関する研究の大半は医師や看護師によるものが多く、かつ質問票調査による定量的調査が中心である。つまり、経営学・マーケティングの視点からの研究は極めて少ない。そのため、経営学・マーケティングの視点から、そして定量的調査だけでなく、フィールドワークによる定性的調査も行う。具体的には下記となる。 (1)調査対象とする地域(大病院と近隣医療機関)を絞り、詳細な記述による定性的調査を行う。 (2)医療機同士のコミュニケーションに着目し、経営学におけるネットワーク理論や戦略的提携の理論、さらには信頼構築理論を用いる。 (3)医療連携は政府の指導であり、各地域(医療機関)は医療連携を推進しているものの、模索中の地域(医療機関)が多い。そのため、本研究で何らかのインプリケーションを示すことは円滑な医療連携推進にとって意義があると思われる。医師など医療従事者の不足、医療費削減が叫ばれる中、具体策に乏しいが、その打開策にもつながる。 (4)医療連携は、患者の満足やQOL向上にもつながるため、患者視点からの考察も行う。本来、医療は患者本位でなければならないため、患者視点からの考察はとても重要である。
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