平成22年度は、これまでに実施した沖縄/北海道におけるエコツーリズムと大阪市天満界隈におけるフリーランス集積に関するフィールドワーク、および社会企業家および企業家の実践論的転回に関する理論的レビュー論文を、企業家研究および経営と制度に投稿する計画であった。 この研究計画に対して、本年度は沖縄県で実施したフィールドワークの成果が『日本村落社会研究学会年報』に、大阪市天満界隈におけるフィールドワークの成果が『組織科学』に、社会的企業家の実践論的転回に向けた基礎的論考となる環境経営に関する理論的研究の成果が『経営と制度』に、それぞれ査読付き論文として掲載された。また、年度末に社会起業家の実践論的転回に関するレビュー論文を作成し、『企業家研究』に投稿している。また、昨年度に続き、沖縄県でのエコツーリズムに関する事例について、日経企業行動コンファレンスに招待され、研究報告を実施している。日経企業行動コンファレンスで行った研究報告については、首都大学東京Research Paper Seriesとして刊行している。 また、本年度は本研究課題に関係する調査先の開拓を積極的に行った。具体的には、電気自動車のインフラビジネスをめざし、中央官庁や地方自治体との連携を積極的に図っているベンチャー企業・ベタープレイスジャパンおよび、社員の企業家精神をうまく活用し、新規事業を開拓しながら長期存続を果たしている大企業として株式会社竹中工務店とヤマト運輸株式会のヒアリング調査を行った。これらの聞き取り調査の成果は、首都大学東京Research Paper Seriesとして3本刊行されている。
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