研究課題
若手研究(B)
本研究では、日本の建設会社の系列ネットワークを、自動車メーカーや電気機器メーカーの系列ネットワークと、組織間学習の視点から定量的及び定性的に比較・分析した。定量的には、大手建設会社とサプライヤーから構成されるネットワークに対して社会ネットワーク分析を実施し、ネットワークの凝集性やそれに所属するサプライヤーの自律性、情報媒介性を分析した。そして、これらの指標を既存研究に於ける自動車業界や電気機器業界のネットワークのそれと比較し、その相違点を明らかにした。定性的には、建設業界及び自動車業界に於いて、組織変革や業務改革、新規地域への進出といった非定常期に於ける組織行動が制度化されている程度を分析し、両業界に於いて変革や改革が安定的に成功する度合いを比較した。以上の結果、建設業界が自動車業界や電気機器業界に対して労働生産性に於いて劣る原因は、組織間ネットワークの量や構造というよりもむしろその質に問題があることが確認できた。さらに、その質の一要因として、労働者個人のパフォーマンスを最大限に活かすための制度化が、自動車業界や電気機器業界に比較して建設業界では遅れ、優れた変革推進者の個人パフォーマンスに依存する傾向が高いことが認識できた。
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京都大学大学院経済学研究科博士論文
Asian Business & Management vol.9,no.2
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広島マネジメントレビュー 第1 号
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日本経営学会編『経営学論集78集-企業経営の革新と21世紀社会』千倉書房
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経済論叢 第181 巻第1 号
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