研究概要 |
本研究の目的は、企業の国際合弁の継続・解消にかんするパートナーシップ行動について、欧米の有力な見方である「トロイの木馬仮説」(THH仮説)の観点から日米欧市場における企業行動のデータをもとに検証することである。 これまでに研究協力者のJean-Francois Hennart氏と共同で実施してきた国際合弁研究(若手研究(B)H.17-19)で収集したデータに、新たなデータを加えて21年分の国際合弁行動にかんするデータベースを構築し、企業属性間・市場間の比較分析を進めている。具体的には、東洋経済新報社の「海外進出企業総覧」と「外資系企業総覧」をもとに、1987-2008年における各市場の合弁パートナーシップ行動についてのデータベースを構築し、これを親会社属性間の・市場間で比較分析する。 とくに、本年度は国際合弁にかんするデータベースをおおむね完成させ(日本市場および欧州市場のデータは最新データを除いて完成、米国市場のデータは大部分が完成)、これまでに作成したデータベースをもとに市場別分析および市場間の比較分析をおこなった。また、データの分析とあわせて、特定事例の分析やそれにもとづいた理論構築なども実施し、これをデータベースの分析における操作仮説の構築・修正でも役立てた。そして、これらの成果の一部を論文(経営研究、Osaka City University Business Review、日本経営学会・大会報告要旨集等)、書籍("Re shaping the boundaries of the firm in an Era of Global Interdependence")、学会発表(European International Business Academy、Multi-Organizational Partnerships, Networks and Alliances、日本経営学会等)などで公表した。
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