本研究課題は、ミクロ的観点、すなわち集団や個人の観点からグローバルな知識共有・活用にアプローチし、特に日系多国籍企業のグローバルな知識共有・活用のメカニズムや問題点を明らかにすることを目的としている。 3ヵ年にわたる本研究課題の1年目に相当する本年度は、研究実施計画に基づき、以下の項目を重点的に実施した。第1に本研究課題は、ミクロ組織論(モチベーション理論、職務に関わる理論など)、学習理論(特に集団・個人レベル)、コンテクスト理論、知識の理論など広範な理論領域が関連しているため、近年の研究蓄積を中心に文献レビューを行った。なかでも、多国籍企業内のチーム・マネジメントに関する既存研究、日本や中国における知識観に関する研究を中心に、既存研究を渉猟した。 第2に、海外の学会(Academy of Japanese StudiesおよびKorea Trade Research Associa tion)において研究発表を得る機会を得たため、研究発表を行った。世界各国の参加者から示唆に富むアドバイスを得ることができたため、次年度以降の本研究に活かしていきたいと考えている。 第3に、日系多国籍企業のケーススタディ調査を開始させている。ただ本年度は、成田空港での航空機事故により、3月に予定していた欧州での海外調査を実施することができなかった。これについては、次年度に改めて実施する予定である。次年度では、本年度に実施した項目をふまえて、日系多国籍企業に対するケーススタディを本格的にスタートさせる計画である。
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