研究概要 |
実証面 : 期間の前半に、研究対象となる日欧の標準コンソーシアムに対するインタビュー調査を実施し、必要な情報を入手することが出来た。また期間後半では、自動車のエレクトロニクス技術の標準化や産学連携の研究拠点としてこれまで主導的な役割を果たしてきた欧州の研究機関について、その沿革と活動内容、組織体制、キーマンのプロファイル、産学連携の状況、連邦政府あるいはEUの助成プロジェクトとの関わり等に着目しながら現地調査を行った。それら研究機関とは、すなわちシュトゥットガルト自動車・原動機研究所(以下FKFS : Forschungsinstitut fuer Kraftfahrwesen und Fahrzeugmotoren Stuttgart)、カールスルーエ大学産業情報技術研究所(Institut fur Industrielle Informationstechnik)、ウィーン工科大学リアルタイムシステムグループの3拠点である。 理論面 : 標準コンソーシアムにおける標準策定プロセスのモデル化の基礎として、Peter Ring, et.al.(2005)Managing Formation Processesin R&D Consortia, California Management Reviewをはじめとする「標準化コンソーシアム」あるいは「R&Dコンソーシアム」に関する内外のペーパーを渉猟・サーベイを行ってきた。また「標準」の概念化を図る基礎として、製品アーキテクチャ論を渉猟・サーベイしながら、同論における標準(あるいはインターフェイス)の内容、性格、取り扱われ方を精査している。これらサーベイにより、「標準に埋め込まれた調整メカニズムの類型化」と「調整メカニズムを埋め込むために適した組織能力のあり方」についての試論を展開する見通しである。
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