本年度は、車載組込みシステム(マイコンを応用したハードウェアの上で、その機器や製品の機能/性能を専用ソフトウェアで実現、制御するシステム)の標準化を目指して、日欧において形成されているコンソーシアムを分析対象にして、標準策定メカニズムを、コンソーシアムとその背後にある国家や地域の産業技術政策と関連づけながら、標準策定メカニズムの日欧の比較分析を行うための調査活動と成果のアウトプットにつとめてきた。具体的には、コンソーシアムベースで展開される日欧の組込みシステムのイノベーションと標準化の動向を実証・理論の両側面から把握することにつとめた。理論面では、日欧におけるコンソーシアム活動の実態について、国・産業・企業レベルでの重層的な調査分析、理論面では既存理論の検討と新しい理論モデルの構築につとめた。実証面では、車載組込みシステムの開発・標準化に関わる日米欧の諸コンソーシアムについて、国レベル・産業レベル・企業レベルにける連携関係を精査し、調査対象を明確化・構造化した。
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