本研究の目的は、多国籍企業の中でも日本の耐久消費財企業(とくに輸送機械と電気機械)におけるグローバル・ブランドの管理について、親会社のブランド管理組織と地域統括本社との間における意思決定調整の実態を明らかにすることである。 現在のところ、多国籍企業が注力する必要があるのは、すでに収益の基盤として確立しており、また開発途上国市場へ効果的に導入できる可能性があるグローバル・ブランドである。ただし、グローバル・ブランドでも、市場導入する国・地域によって地域統括本社や現地子会社に若干の適合化を許容する場合がある。このことは、多国籍企業におけるグローバル・ブランドについての意思決定構造に対して変化を促す可能性がある。
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