平成20年度~21年度にかけて行なう「インベスター・リレーションズの経済的効果の測定」研究は、平成20年度は会社業績予想に焦点を当て、21年度についてはセグメント情報を用いた研究計画を立てている。会社業績予想に関する研究の成果としては、査読論文1本の刊行および学会報告を1回行なうことができた。論文については、計画通りセグメント情報研究に注力し、企業のディスクロージャーに関する懸賞論文である、第1回プロネクサス懸賞論文に投稿し、優秀賞を受賞している。論文講評は以下の通りである。 「優秀賞を受賞した、円谷昭一著「事業セグメント情報にみるディスクロージャー制度の展望-IRを踏まえた基準作成の必要性-」は、意外性のある興味深い視点の提示をした点で高く評価しました。わが国においても、2011年3月期から米国基準および国際会計基準(IFRS)と同様のマネジメント・アプローチによる事業セグメント決定方法が導入されますが、当論文はわが国の上場会社のセグメント情報開示実態が米国に比べて劣っているとは言えない点を指摘しています。また、IRにおけるセグメント情報開示では制度開示よりも詳細な開示例などが多く見られ、IRを踏まえた会計基準作成という視点での検討が世界統一会計基準設定活動に貢献するのではないかと提案した点を、評価しました。」 2009年12月2日に授賞式があり、同社の上野社長より賞状を授与されている。現在、さらなる研究を進めている最中である。
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