• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

会計情報と企業価値-利益調整と資本市場の観点から

研究課題

研究課題/領域番号 20730295
研究機関一橋大学

研究代表者

野間 幹晴  一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 准教授 (80347286)

キーワード利益調整 / アナリスト / ストラクチャリング / 業績予想 / 研究開発投資
研究概要

平成21年度の研究では、次の3つの成果があった。
第1に、FASBが07年11月に公表した予備的見解「資本の特徴を有する金融商品」について検討した。この見解は、金融商品の経済的実態を変えずに法形式を変更することで会計上の区分を操作すること、すなわちストラクチャリングを防止する必要性が挙げられている。しかし、経営者による会計上の操作の余地という意味でのより広義のストラクチャリングには、FASBが懸念しているストラクチャリング以外にもさまざまな次元のものがあり得る。そして、そうしたものの一部は、FASBが提案する基本的所有アプローチによっては改善されず、別途の会計基準の整備が必要であることを指摘した。
第2に、アナリスト・カバレッジが利益調整に与える影響について分析を行い、アナリストが多い企業ほど、異常会計発生高が小さいことを明らかにした。こうした結果について、本稿ではアナリストは保守的な会計処理方法を選好するという解釈を提示する。
第3に、研究開発投資と業績予想の頻度について分析し、上方修正の頻度が多いほどR&D投資に対して消極的になり、下方修正の頻度が多いほどR&D投資に対して積極的になる、というトレードオフ仮説を支持する結果が得られた。経営者による業績予想によって、R&D投資をめぐる近視眼的もしくは短期的行動を助長されている可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ストラクチャリングをめぐる経営者の裁量的行動と会計基準2009

    • 著者名/発表者名
      野間幹晴
    • 雑誌名

      日本銀行金融研究所ディスカッションペーパー

      ページ: 1-26

  • [雑誌論文] アナリスト・カバレッジと利益調整2009

    • 著者名/発表者名
      野間幹晴
    • 雑誌名

      日本企業研究のフロンティア 5巻

      ページ: 127-154

  • [学会発表] 業績予想と研究開発投資-業績予想の頻度がR&Dに与える影響2009

    • 著者名/発表者名
      野間幹晴
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2009-09-03
  • [学会発表] Do Managers fully Understand Accrual Accounting?2009

    • 著者名/発表者名
      野間幹晴
    • 学会等名
      Korean Accounting Association
    • 発表場所
      Mungyeong, Korea
    • 年月日
      2009-06-18

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi