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2010 年度 実績報告書

会計情報と企業価値-利益調整と資本市場の観点から

研究課題

研究課題/領域番号 20730295
研究機関一橋大学

研究代表者

野間 幹晴  一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 准教授 (80347286)

キーワード投資政策 / 配当政策 / 近視眼的行動 / 経営者予想 / ディスクロージャー / 予測誤差 / 業績修正
研究概要

平成22年度の研究では、次の2つの成果があった。
第1に、投資政策と配当政策の国際比較を実施した。具体的には、日本、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、韓国の上場企業について約20年間の分析を行った。投資政策に関する分析からは、日本企業は諸外国に比べて、設備投資や研究開発投資を削減する傾向が強いことが確認された。配当政策に関する分析から、諸外国では配当を支払う企業が減少傾向にあるのに対して、日本では配当を支払う企業が多いことが判明した。他のデータも考慮すると、日本企業の経営者は近視眼的行動をとっていると解釈することができ、日本企業の競争力回復のためには経営者に長期的視野が求められるという示唆が得られた。
第2に、ディスクロージャーに優れた企業の経営者予想について、期初の予測誤差と期中の業績修正行動の特徴を分析した。実証分析から、ディスクロージャーに優れた企業は、期初に保守的な業績予想を開示し、期中において経営者予想を小幅上方修正し、その修正幅は相対的に小さいことが明らかになった。期初予想を保守的に公表し、期中に小幅上方修正する経営者予想のマネジメントは、投資家の期待を上方へ誘導する効果を持つと考えられる。このことから、ディスクロージャーに優れた会社は、予想を公表することで投資家にサプライズを与えることを防ぐだけでなく、より戦略的に投資家の期待をマネジメントしているといえる。これに対し、ディスクロージャーが優良でない企業は、期初予想の修正幅は大きく、期初予想を実績が下回り、期中に大幅下方修正を行う傾向があることも明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ディスクロージャー優良企業における経営者予想-予測誤差と業績修正行動を中心に2011

    • 著者名/発表者名
      奈良沙織・野間幹晴
    • 雑誌名

      現代ディスクロージャー研究

      巻: 第11巻 ページ: 15-35

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本企業の競争力はなぜ回復しないのか-配当行動と投資行動をめぐる2つの通説への反駁2010

    • 著者名/発表者名
      野間幹晴
    • 雑誌名

      一橋ビジネスレビュー

      巻: 第58巻第2号 ページ: 74-89

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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