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2010 年度 実績報告書

グローバリゼーション下の対外国人意識-マルチレベル分析による形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20730326
研究機関東京大学

研究代表者

田辺 俊介  東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (30451876)

キーワード対外国人意識 / 政治意識 / 接触経験 / マルチレベル / 排外性 / 地域特性
研究概要

平成22年度は、前年度に行った調査データの分析に基づく研究を進めた。その中で全7回に渡る研究会を行い、本補助金により購入した文献による先行研究の確認とともに、昨年度得たデータ分析に基づく成果の報告や議論を行った。
それら分析と研究会の成果として、平成23年2月に勁草書房より『外国人へのまなざしと政治意識』という書籍を出版した。その具体的な知見として例えば、現在日本では「国を愛すべし」と考える愛国主義は主として社会階層的には上層にいる人々が強く表明するナショナリズムであり、他方比較的階層が低い人々は愛国主義の主張にはあまり賛同せず、外国人の増加に反対する排外主義を主体としたナショナリズムを抱く傾向があることを示した。また排外主義は、愛国主義や権威主義との結びつきがそれほど強くなく、現代日本の排外主義が権威主義のような伝統性や保守性には還元できない要素を含むこと、一方で「日本人」の純粋性を求める純化主義と排外主義の結びつきは強いことから「日本人」という境界線を強く意識する心情が外国人を排除する意識と関連しやすいことが明らかになった。
また本研究の主題である外国人への排外性の規定要因のマルチレベル分析の成果についての分析を進めた。その知見として、まず個人レベルの変数としては、個人的な接触は外国人の出身国にかかわらず否定的な態度を弱める効果を持つこと、一方純化主義が強いことはどんな国籍であれ外国人一般に対する否定的な態度を強めることが明らかになった。また地域レベルの変数としては、中国人や南米諸国の人々の比率が高い地域では中国人や南米諸国の人々の増加に否定的な態度が増えるが、オールドカマーの多い韓国人については地域の韓国人比率が否定的な態度を高める影響がないことを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 外国人増加の賛否に対するマルチレベル分析:出身国の違いと地域特性に着目して2011

    • 著者名/発表者名
      田辺俊介
    • 学会等名
      数理社会学会第51回大会
    • 発表場所
      沖縄国際大学
    • 年月日
      2011-03-08
  • [図書] 外国人へのまなざしと政治意識:社会調査で読み解く日本のナショナリズム2011

    • 著者名/発表者名
      田辺俊介, 他
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      勁草書房
  • [備考]

    • URL

      http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/~tanabe/JICPPS.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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