申請者の研究は、女から男へ、男から女へと性別を越境するトランスジェンダーおよび、そのあり方が医療化された性同一性障害である人びとが、日本社会で生活するなかで抱えている問題を取り扱うものであり、そこから現代日本における性のあり方を明らかにするものである。今回申請した研究では、1997年から行っているトランスジェンダー・性同一性障害コミュニティでのフィールドワークの延長線上にあり、これから展開が期待される問題 (1)性同一性障害の診断場面における性別の取り扱い (2)女/男という二元的ではない、より多様化した性としての生き方 (3)性を越境していることを明らかにしながらの就労問題 を継続的に調査し、発表していく。
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