本研究は現代の特に観光化や地域活性化の進展する地域社会において特徴的に観察される流動性・移動性の高い社会的存在の集合を事例として取り上げ、この社会的集合を構成する人々の社会的動態、当該集合の社会的機能、地域社会との相互作用の実態について、フィールドワーク法により、その社会約動態と社会意識のあり方、社会的機能、地域社会との社会的相互作用について明らかにすることを目的としている。 本年度は資料調査・フィールドワークによるデータの収集と整理を主眼において研究活動を行った。現地調査は主に長野県の農山村においての調査を進め、対象者と直接面する方法で行った。収集した各種文献資料およびインタビューによって得られたデータから必要事項を抽出して整理分類し、データベース化する作業を行い、分析考察のための準備作業を行った。 また同時に来年度以降、調査対象地における量的な把握を含んだ研究を進めることが可能であるかの検討を含めた現地調査も行った。そめ結果、いくろかの条件が整えば、統計的調査を行うことができる可能性が出てきた。来年度以降、研究目的の幅を広げ、精度を高めるためにも量的調査に取り組んでいきたい。 本研究では比較的年齢層の若い世代を研究対象となってくるため、若者研究の動態と状況を知る必要があり、そのためその領域の研究者や専門家との情報交換も進めてきた。調査対象となる社会的集合の生活世界を明らかにするだけではなく、若者研究の文脈に寄与できるような知見を探っていきたい。
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