大宅没後に編まれた「大宅壮一全集」には未収録の著作も多いため、前年度より継続して進めている、大宅の著作の全体像を明らかにする作業を、主に戦後期の雑誌を中心に行った。その過程では当時の担当編集者へのインタビュー調査を遂行した。そしてこれらで得られた知見の一部をまとめた論考を発表したほか、占領期の大宅について口頭発表を行った。 また出版メディア史の変遷やマクロな社会の変動と個人のライフヒストリーとのかかわりについて考察した論考を発表した。これについても引き続き文献資料調査・インタビュー調査に取り組んだ。 これらのほか研究で得た知見を広く社会に伝えるべく、新聞への寄稿を行うとともに(「毎日新聞」2009年4月5日朝刊9面、「宮崎日日新聞」2009年6月7日朝刊2面・10月4日朝刊2面・2010年2月7日朝刊2面、「公明新聞」2009年7月12日4面、「週刊読書人」2009年11月20日号31面・2010年4月9日号6面)、世界思想社の「世界思想」37号に寄稿した(2010年4月発行)。またインタビュー取材に応じた(「朝日新聞」2010年2月3日朝刊宮崎面、「宮崎日日新聞」2010年3月5日朝刊15面)。 なお前年度上梓した著書により、今年度第30回日本出版学会賞奨励賞、第18回橋本峰雄賞を受賞した。
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