研究概要 |
19年度に発表された論文「在外日系児童の「日本語」学習をめぐる諸問題」(清水恵との共著)をもとに、大学院の日本語教育課程ゼミにて日本語教師経験者とのディスカッションをし、見落とされていた問題や今後の展開について再考した。そこでの議論をうけて、10月7日獨協大学にて「多文化・多言語環境のなかの子ども研究会」を開催。研究協力者の清水恵を招いて、ドイツの初等・中等教育システムについて理解を深め、そこで展開される「多文化社会の構築に向けた教育理念」について議論・検討をした。本研究会第2回目は、今年度中に開催する予定である。6月29日には世界社会学機構世界大会にて「グローバル化する日本文化とそのオリジナリティ」と題し、日本文化のグローバル化にともなう文化的帰属意識の変容について発表した。部会のオーガナイザーからのコメントと一連の質疑応答によって、グローバル化の下でのローカル意識の形成が多言語環境に育つ児童の帰属意識を考察する手掛かりとなることを確認した。10月24日には琉球大学で行われた「アメラジアン・シンポジウム」に参加。日本における多言語/多文化教育実践の一例についての知見を得たほか、2つの講演"Kuni und Sprache in einer multikulturellen Gesellschaft" (Oberseminar : lnterkulturelle Erziehung und Bildung im internationalen VergleichII, 19年6月23日ハイデルベルグ大学)および、(2) 「異文化と自文化--グローバル社会と日本のポップ・カルチャー」(立正大学社会学会特別講演会、19年7月3日立正大学)によって、本研究課題が、社会学・教育学等の分野で注目を集めていることを確認した。
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