本研究の目的は、第一に、戦後の日本社会における高齢者政策の歴史的文脈を俯瞰した上で、それらの歴史的・政策的文脈のもとにあって、様々な高齢者関連団体・組織などをはじめとする各種団体・組織はいかなる活動・要求・異議申し立てなどの実践を行ってきたのか、そして、それらの団体・組織の実践を通じていかにして政策は変容してきたのかを実証的に明らかにする。第二に、そうした歴史的・政策的文脈と各種の団体・組織のせめぎあいを通じて、あるいはせめぎあいの中にありながらも、戦後日本社会の〈老い〉と〈高齢化〉をめぐる表象と記憶は形成されてきたのかを解読することである。要するに、私たちはいかにして戦後日本社会における〈老い〉と〈高齢化〉を語ってきたのかを明らかにする。
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