研究概要 |
本研究の目的は、中年以上の女性が美容整形手術などの美容活動を通じて、どのような主体を形成していくのかを明らかにすることである。というのも、美容といえば若い女性の問題のように考えられているが、実は中高年女性にとってライフコースと関わる重要な問題となっており、まさに社会学的な問題と考えられるからだ。外見が重視される時代における美容の意義や功罪を考察することは、社会学的に重要であると考える。 さて、平成21年度は、整形に関する文献・資料の収集、及びそれらを通した学会発表、論文執筆をおこなった。アンケート調査、インタビュー調査については、本格的な調査のための準備を行った。プレインタビューを行い、コーディネイターやインフォーマントとの間で連絡を継続的に取り合い、ラポールの形成に努めた。 整形に関する文献・資料の収集については、学術書はもちろん、雑誌を中心にマス・メディアの資料を集めた。雑誌についていえば、近年30, 40, 50代女性向けのファッション雑誌や美容雑誌が刊行されているので、その雑誌を中心に収集した。本年度は、その収集した雑誌の内容をテキストデータとして入力する作業を行った。そして、データの一部を用いて分析も行っている。分析結果の一部は、平成21年度日本社会学会大会で学会報告において発表している。また、同じく結果の一部について、現在、原稿を執筆中である(平成22年度に出版予定)。 また、プレインタビュー調査結果の一部は、論文として執筆し、本の1章分として出版された。
|