研究概要 |
本研究の目的は,東アジア諸国・地域(主に日本,韓国,中国,台湾)における福祉諸制度・政策を,「遅れてきた福祉国家」という視点から比較分析し,比較福祉国家研究の新しい理論構築を目指すものである.そのため,2009年度は大きく理論研究と現状分析とに分けて研究を実施してきた. (1) 理論研究においては,比較福祉国家研究の新しいアプローチとして「遅れてきた福祉国家」について検討を行った.その結果,論文として「〓〓 〓〓〓〓〓〓〓 〓〓〓 '〓〓〓〓-〓〓〓〓':〓〓〓〓 〓〓〓〓〓 〓〓」(日本における福祉国家研究の系譜と「武川一田多論争」-東アジア比較研究の課題),「〓〓〓〓〓〓〓 〓〓〓 〓 '〓〓〓'〓 '〓〓〓':〓〓〓〓 〓〓〓 〓〓 〓〓〓〓〓〓〓」(福祉国家展開における「先発国」と「後発国」-時間軸の導入による比較研究に向けて),そして学会報告として,新しい「福祉国家の多様性」論にむけて-東アジア発の視点」を発表した。 (2) 現状分析においては,日本,韓国,中国,台湾の福祉諸制度・政策の現状と歴史的展開過程についての研究を行った.その結果,論文として"Socioeconomic Changes and Welfare Reform in Korea : in the Context of Late-coming Welfare State",「日本と韓国の社会と社会保障」,「日本・韓国・台湾における若者貧困と社会保障-福祉国家体制への示唆」などを発表した。 (3) さらに以上の理論研究と現状分析との統合の試みとして,日中韓の研究者を集めて東アジア福祉国家の国際比較のための共同研究を行い,その結果,『現代の比較福祉国家論-東アジア発の新しい理論構築に向けて』という本を出版した。
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