本研究は、自閉症スペクトラムの子どもたちへの早期発見・早期療育にあたって、地域の保健師・保育士・幼稚園教諭のスムーズな連携によるチームアプローチ実現のためのデータベース構築を目的としている。具体的な研究の目的は以下の3点であった。 (1)自閉症スペクトラムの子どもたちの早期発見・早期療育を地域レヴェルで実現するために、地域の保育・教育・福祉現場の専門職(保育士・幼稚園教諭・保健師)が、発達障害に関する正確な共通認識・共通理解を持ち、自閉症スペクトラム児への早期発見・早期療育のためのチームアプローチの必要性を認識し、綿密にディスカッションを行い、適切な支援をできる基盤を構築し、発達障害児及びその家族に対して専門職によるチームアプローチでサポートしていく。 (2)乳幼児期に行動特性が出現する自閉症スペクトラムを対象に、早期発見・早期療育のために、地域の専門職によるチームアプローチに必要な自閉症スペクトラムの特性を整理・分類したデータベースの構築を目的とする。 (3)職種の異なる専門職(教諭・保育士・保健師)が正確な知識や自閉症スペクトラムの子どもたちへの支援の理念を共有するために、乳幼児期の自閉症スペクトラムの行動特性から、支援の基盤となるようなマニュアルを作成する。
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