視覚障害者の歩行時に列車通過音や大型トラックの騒音等、突発的な騒音が発生した場合、方向が分からなくなるような錯誤が発生することがある。特に、鉄道駅プラットホームの空間で発生した場合、死亡事故に繋がるケースもある。本研究では、新幹線ホームで列車通過時の騒音を録音し、実験空間内でその音源を基にして聴感歩行実験を行ったところ、聴覚錯誤が発生していることが確認できた。その他、特に残響時間の長い空間内での聴感実験では聴覚錯誤が起きることが確認できている。今回の実験では、それがどのようなメカニズムで発生しているのか、詳細な内容までは突き詰められなかったが、突発的な騒音が発生した場合に錯誤が起きることは明らかとなった。
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