本研究は、福祉人材育成の理論及び方法の確立を目指し、都道府県・指定都市社会福祉協議会等の研修事業実施機関における、『研修カリキュラム」に焦点をあて、カリキュラムテザイン(研修の体系化)、インストラクショナルテザイン(研修プログラムの開発・評価)及び、そのプロセスを包括する概念である「福祉人材カリキュラムマネジメント」の理論構築及び方法について具体的に提言することを目的とするものである。 平成23年度は、研修事業における「インストラクショナルデザイン」におけるツールの開発、及び、「研修カリキュラムマネジメントサイクル」のシステム化を試みた。 1 「職場研修」に関する実態調査 A県社会福祉協議会が実施した、「福祉職場の研修ニーズ等に関する実態調査」に関わり、介護、障害保育分野の施設に対し、「職場研修」の実施体制、OJT、OFF-JTの実施状況等について分析を行った。 2 研修事業におけるインストラクショナルデザイン(研修企画・運営)のモデル事業 研修企画のための、ニーズ把握、目標設定、研修プログラム策定、評価のツールを開発し、県社会福祉研修実施機関の研修担当者に実際に使用していただき、改良を加えた。その後、研究者が講師を担当した職場研修担当者対象の講習会等で、教材として使用し、ツールの実証性について検討を行った。 3 研修事業全体のシステム化:研修カリキュラムマネジメシトサイクルの提案 「研修カリキュラムデザイン」と「インストラクショナルデザイン」のプロセスをシステム化し、「研修カリキュラムマネジメントサイクル」として整理した。
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