今年度は、医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)らを対象として、当事者の終末期において、ソーシャルワーカーはどのような役割を担うのかということについてアンケート調査を実施した。調査票は全国の緩和ケアが実施されている病院および無作為で抽出した一般総合病院996か所に配布し、回収率は約42%であった。調査の結果から当事者の死を身近で経験しているMSWは、死の看取りや役割意識、家族ケアへの意識は高いものの、死別に際して、SWの専門性を発揮しているかの問いには「どちらともいえない」が大多数を占めていた。専門的なケアを実施しているにもかかわらず、ソーシャルワーカーは自らの職務についての自信や明確な役割意識が持てずにいることが浮上したのである。こうした状況を改善するために、ソーシャルワーク実践における看取りについての明確な指針作りが急務といえる。
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